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自信過剰

カテゴリー:マングローブの30ブロック経営 『楽しむ×人=いない人の悪口を言わない』

昨日のブログに、前職で忘れたくないと思っていたこととして「自分で考える力」「謙虚な気持ち」「多様な立場への想像力」の3つだったと書いた。

今日は2つ目の「謙虚な気持ち」について。

サラリーマン時代、自分が一番頑張っていた時期と、一番自分自身を嫌だった時期が重なっている。

それは、30歳から33歳までの3年間。
恐いもの知らずの時期だった。
よく言えば、飛ぶ鳥を落とす勢い。
我が物顔というところもあったかな。

冷静に振り返ると、けっこう嫌な奴だったかもしれないなあ、と、今思い出しても冷や汗が出る。

その頃のボクは自分に絶対の自信を持っていた。
何にかって、何か特別な才能ということではなく、対応力に自信を持っていたんだ。
それまで、いろんなことをくぐりぬけて来て、自分はどんなことでもできると、恐いもの知らずだった。
それと、自分の役割への責任感も自分以上に持っているやつはいない、と思っていた。

人事部次長となったのが30歳。
翌年には31歳で人事部長となる。
異例の大抜擢だった。

採用・教育・人事制度・労務管理などを一手に取り仕切る。
役員会にも出席して、色々と意見も言っていた。
経営企画など、自分の守備範囲以外のことにも色々と問題意識を持って口を出したりしていた。

ひたすら会社のことを考え、使命感で動いていた(つもりだった)。

人事部長として「自分が会社を変えてやる」くらいの勢いで仕事をしていた。
少しずつ自分の中に、周囲への不満の気持ちが強くなってくる。

人事部のメンバーにも、要求していた。
「経営への問題意識を持て」「自分だったらどうするかを考えて仕事をしろ」
「自分たちが会社を変えるくらいのつもりでやれ」などと。

ここまでは、やる気のある人事部長が、部下に火をつけてガンガンやっている、といういい姿だったんだけど、ここからがまずかった。

その頃のボクは少し思い上がっていたのかなあ。
時折、部下に役員の悪口を言うようになっていたんだ。

「○○さんは、問題意識が低い。あんなんじゃ役員やってる意味がない」とか
「○○さんには、ビジョンがない。意識を変えてもらわないと」などと・・。

それだって、その時は悪口などという気持ちはなく、部下も巻き込んで問題意識を共有して、まずは役員陣の意識改革からしなければならない、というくらいの前向きなつもりだったんだけどね。
役員研修のプログラムを立案したり、外部の役員向けのプログラムに自分がまず参加して、いいと思ったものに、役員さんに順番に参加してもらう、というような提案も役員会でして、前向きに取り組んでいたつもりだった。

ある日のことだ。
部下の一人が、ボクに話しがあるという。

「今野さん(部長、とは呼ばず名前で呼ぶ文化だった)、これ以上メンバーの前で、役員さん方の悪口を言うのは止めてください」
「役員さん方に悪いところがあるのもわかります。でも、自分たちはこの会社が好きで入ってきたんです。まだまだこれから夢を見ていきたいんです」
「今野さんと話していると、会社に失望するばかりで夢がなくなります」
「今野さんの話しを聞いていると、自分だけが優秀で他はバカばっかりだ、と言っているように聞こえます」

こういう内容のことを一気にボクに伝えると、その目からは大粒の涙が溢れてきたのだった。

非常にショックで、言葉もなかった。
後ろからハンマーで殴られたような衝撃を今でも忘れることができない。

問題意識という名の元に、悪口を言うことで自分のポジションを上げようという気持ちは本当になかったか。
問題意識を共有するという名目を借りて、うさ晴らしをしていなかったか?

目を覚まさせてくれたメンバーの勇気ある言葉に、ボクは心から感謝した。
謙虚さを忘れかけていたボクが、一皮向ける機会になった。

自分の能力以上に仕事ができると思い込んではいけない。
誰一人として、会社を悪くしようと思って仕事している人はいない。
驕った気持ちで、一人ひとりの取り組み姿勢をあげつらって、個別に問題にしていくことに意味はない。
組織としてどう取り組みを変えていくかを設計できなければ、人事部長として失格だ。

これは、ボクの苦い思い出なんだけど、こんな自信過剰なやつはどこにでもいる。

自信を持つのは悪いことじゃないけど、それが過ぎて謙虚さを忘れてはいけない。
褒める風土が行き過ぎて、自信過剰人間を大量に生み出してはいけない。

時には目を覚まさせることが必要な時もあるんだ。


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