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農夫の教え

カテゴリー:マングローブの「5+1」 『採用+育成』


【促成栽培】

あるベンチャー企業の経営者から「どうやったら新人を早く育てられますか?」という質問を受けた。

最近はこういう「促成栽培の方法を教えろ」という話は多いよ。

ボクは、質問者の立場からすると身も蓋もない答えしかできない。

「促成栽培は止めた方がいい」
「促成栽培しないと会社が持たないような体力ならば、新卒採用などやめたほうがいいよ」

コンサルタントという名の営業マンの口車に簡単に乗ってしまう。

「新卒採用は、会社の活性化のために重要ですよ」

「中途採用は失敗の確率が高いです。高い給与で合うかどうかわからない博打をするよりも染まっていない新卒採用をして一から会社色に育てるほうが組織が強くなります」

これは一見説得力があるんだなあ・・。
活性化につながることは間違いないんだけどね。
組織が強くなるかどうかは、なんとも言えない。

それでついつい新卒採用をしてしまって、挙句の果てが「促成栽培できないか?」だもの。


【自然の法則−農夫の教え】

偉そうに言ってるけど、ボクも駆け出しの人事部長の頃は、スタッフに促成栽培をけしかけていたクチだなあ。
それが自分の任務だと思っていたからね。

かなり思い切った経営計画が降りてきていて、それに沿った人員計画も「大量採用」「促成栽培」になっていた。

人生の正しい法則は、教えられた時にまっすぐ実践できることは少ない。
多くの失敗をし、遠回りをして真理にたどり着く。

農作業と収穫の間には、「自然の法則」がある。

・稲作では、田植えの前に苗代(なわしろ:苗を別のところでじっくり仕立ててから水田に植え替える)という段階を省略できない(直播きという方式を取っている所も一部あるが)。

・春に田植えをせずに稲を作ることはできない。

・夏の間に草取りや水遣りをせずに放っておくことはできない。

・秋に収穫して、稲木で天日干しにし乾燥させる段階を省略できない(今は乾燥機になっているらしいが)。

この段階を半年間以上、手間暇かけることで、ボクらの食卓においしいお米はやってくる。
この過程を誤魔化して、一夜漬けで米を出荷できる農家などない。

この自然の法則は、人生にとって、とても大きな「農夫の教え」だ。
子供の頃の大切な教えを心から分かり、実践できるまでには相当時間がかかる。

「百姓に一夜漬けはない」という、この自然の法則を教えてくれた農夫こそ「父親」であり、農家に生まれたことを大人になってから感謝するようになった。


ビジネスマンの場合、稲作と違って半年で一人前になることは難しい。

1〜2年は覚悟が必要だ。

それくらい待てないのであれば、新卒採用はしないほうがいいかもしれないね。


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05:54 | マングローブの「5+1」 | comments (0) | trackbacks (0) | page top↑